JR北海道やJR四国が苦境に立って、さらに若年層の移動人口の減少や今年の新型コロナの影響による利用者激減など、JRおよび鉄道会社・バス会社は苦境に立たされている。鉄道が単なる人を運ぶだけの事業にとどまっているなら、いずれ経営難になるのではないか?鉄道のあり方に一石を投じるWEST EXPRESS銀河と36+3のコンセプトと可能性を考えて行くことにしよう。
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クルーズトレイン
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JR北海道問題が示す鉄道のあり方
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旅風さとみ
サイト管理者。別名「風のように旅する男」。目的のない旅にこそ旅する意義があると言う考えを持っている。
高峰ともひろ
ひとり旅のエキスパート。いかに無駄な努力のない旅を楽しめるか組み立てながら旅を楽しむ。冬はスキー三昧。
緑原みく
遠出はつきあい程度でもっぱら近場の小旅行が多い。興味はむしろ冬のスノーボードと言うことで快適な旅を求めている。
さとみ
今年(2020年)JR西日本とJR九州が相次いで新しい長距離列車の運行を始める。在来線で運行される長距離列車はどういう可能性を秘めているのか?これからの旅はどう変わって行くのかを、議論して行きます。
夜行列車がなくなり、夜のうちに移動する手段が夜行バスに移ってしまった。一つの時代が終わった感ありだが、そのなかで新しいコンセプトの夜行列車が5月から運行される。
みく
スノボで行く時は夜行バスがあちこちに走ってるから、不便さはないね。ただ、狭くて窮屈な面はどうにかしてほしい。ともひろは今もスキーに行くけどどう違う?
ともひろ
バスの場合はやはりトイレがない、座席もせまい事からしんどい面はあるね。ま、神鍋だと前日に福知山に行ってネカフェかカプセルに泊れば始発で神鍋に行けるから近場は影響ないかも。スキーは下火だし、若い世代は遠くまで行くつもりもないから、夜行列車でスキー場へと言う感じはないかも。信州もシニア層ぐらい。近場はいいけど信州や北海道は苦戦しているようだ。
さとみ
「Whireforest」開設前ぐらいはゲレンデへ列車でのアクセスがまだ便利だったし、利用価値もあったしね。春休みや夏休みも学生が金かけずに夜行快速利用していた部分はある。ただ、若者の車離れと旅行離れが夜行列車の廃止につながったと思う。
新幹線が少なく便利ではなかった時代にはビジネスでも寝台特急を利用する客は多かったけど、現在ではすでにビジネスホテルが寝台料金より安い状況になってきたし。
みく
夜行バスがあるバスツアーは日帰りプランやレンタル付きとかあって、ゲレンデセンターも更衣室やロッカー、ショップ、レストランなども揃っているし、道具にこだわらなければ普段の格好でゲレンデ行ってもすべてレンタルで済ませるしるね。旅行に行くにせよ、JRが前売りで安い新幹線の切符を発売しているし、新幹線で目的地に行ってゆっくり宿で過ごすほうが楽にも思える。安いホテルもあるしね。
ともひろ
寝台特急にせよ夜行急行にせよ、国鉄時代の人を運ぶだけと言う考えが抜けなかった面もあると思う。それでもJR西日本のシュプール号は荷物置場や更衣室、サロンコーナーを完備していて便利ではあった。ただ、人を運ぶだけと言う部分の延長線上ではあったと思う。以前に比べて設備が良くなって快適になっただけ。利用者がいろいろ楽しみ方を考えて利用するけど、JRは輸送サービスを提供するだけ。
さとみ
長距離列車に対する明確なビジョンがなかったのが、消えゆく結果になったのかも。実際、夜行列車に関してはただ移動の手段と言う部分から脱却はできなかった。国鉄時代の古い価値観が未だに残っているのが長距離夜行列車だったし、若い世代は体験することにお金を使う傾向があるから、よけいに若い世代には支持されなくなったのかもね。
ただ、Type EVAのようにエヴァンゲリオンの展示室や実物大コックピットのある車両や外観を初代エヴァンゲリオンの色にして体験を売ると言う方向が出てきたように思う。今回のWEST EXPRESS銀河も関西から山陰へ向かう夜行列車として利用価値が高いと思えるけど、旅を自由に楽しむと言うコンセプトの元に作られている。36+3も、旅の移動中を楽しむコンセプトらしい。
みく
鉄道オタクではなく一般人として楽しいことがあるなら利用しようとは思う。
若い世代は体験することと人とつながることにお金をかけるから、そこのコンセプトがあればいいと思う。
ともひろ
マイカー派は自分の世界観で旅すればいいと言う面もある、ただ、列車での旅は不特定多数が同じ空間を共有する部分がある。見ず知らずの人が知り合いになる可能性も高い。夜行列車全盛期はそういった面が多かったように思える。新型コロナの件で自粛要請が出ているにも関わらず遊びに行く若者は自分の領域を必死に守ろうとしている。
若者の旅行離れは長引く不況と同時にコミュニティに固執しようと言う部分もあるかも知れない。ただ、旅は未知の領域に入るので、有事の際は旅慣れた人の方が強いと思う。
さとみ
「旅風里美の旅スタイル」でも書いたけど、ひとりの気まま旅はあくまで自己責任。なにがあろうとそれは自分で受け止める必要がある。自分の責任において行動するべきなのは当然だが、一般的には社会的責任と自己責任を混同している面がある。鉄道の旅はあくまで自分で企画し、自分で行動し、自分ですべて責任を持つ、自己責任によってその旅は成り立っているんだ。
冒険心は大切だけど、一定の自制心も冷徹な思考も必要。自由だけど自分を制することも必要になってくる。それが鉄道の旅じゃないかな。
鉄道会社がただ単に人を運ぶ手段としてサービスを拡大して来たわけだけど、それが曲がりが度に来た感がする。人を動かす仕掛け、そしてそれによって得られる満足感が拡散して新たなる顧客が発生する。そう言う意味では「WEST EXPRESS銀河」や「36+3」がそう言う火付け役になればいいと思う。
ともひろ
夜行列車の高揚感はクセになる。だけど、今の若い世代はそれがわからない。時代の変化に鉄道会社も対応して行かなければならないのに未だに旧態依然の方法で売り上げを伸ばそうとしている。高齢者が金も暇もあるからとクルーズトレインを運行させてそれは成功している。しかし、クルーズ船で集団感染が起きるなど特別な空間はまた別の危機があるように思える。
おれが夜行列車で旅をするのは特別な空気感を楽しむ部分もある。停車しない駅で停車する、ドアは開かないけど構内に停車している。そんな時の不思議な感覚。一方では一般的に、快適であればそれでいいと言う部分もある。
さとみ
鉄道はカスタマイズできないと言う面では不利だと思う。バスだと数十人集まれば旅行は成り立つけど、列車だと最低でも2両、100人ぐらいでないと意味がなくなる。また、観光地まで行けるわけでもない。目的地が駅から遠ければ、バスやマイカーの方が便利だし、事実高速道路の発展でそう言う傾向が出てきた。目的地に安く行くなら、バスの方が便利だと。
ただ、列車の旅は目的地だけでなく、道中が楽しめる面がある。ただ移動するだけではどんなに快適性を向上させても、移動人口が減れば利用は減る。人口が減少して若者が物欲がなくなったからと、外国からのインバウンドに頼った結果が今回の新型コロナの問題を作り出したと思える。
一方で地方のローカル線は、いくら地域密着で利用促進策をやっても沿線人口が少ないから限界がある。当然沿線外からのインバウンドが必要。とは言うものの、地方のローカル鉄道は手段のとりようがない。JRのような広域ネットワークがある鉄道会社が、沿線人口の少ない地域に外からの客が集まる仕掛けをすれば、地域活性化につながるんじゃないかな。
新幹線や従来の夜行列車だと、目的地に向かうだけ。でも、列車内で同じ時間を共有するもの同士が意気投合すれば、有名ではない観光地や観光地として認知されていない場所に人が来る可能性もあるわけだ。
結局、その土地の良さを知る人は本当の良さを知っているし、そう言う人によって訪れる人が増えれば地域の活性化につながるし、下手に観光地化された場所は飽きられれば終わりだし、観光地化されなくても外からの客が多ければ地域のキャパ以上の売り上げは上がるわけだし。
新しい長距離列車が、友人や恋人、ビジネスの出会いが生み出されるなら、新しい流れが出てくると思う。結局、人は干渉を嫌って普段の生活から逃れるけど、人恋しいもの。だから非日常での出会いを求める。街コンがあちこちで開催されてるのもそれを表している。「WEST EXPRESS銀河」にはフリースペースが多くあるそうだ。そこでなんらかのストーリーが展開されればおもしろい。
今回、JR西日本もJR九州も電車を改造して長距離列車にした。以前はディーゼル列車や客車列車が多かったが、あえて電車にしたのはどうだろうか?「WEST EXPRESS銀河」は非電化線区のみならず、北陸や九州への乗り入れもできない。あえて山陰の入口や山陽に限定されているのがこうをそうするか?山陰に向かう夜行は指定券が取れないほどの状態になるだろうが、昼間の山陽を走る場合はどうなるか…興味深いところだ。